2014.12.19

WorMo’的ワークスタイル

女性ならではのビジネススキルを身につける

講義レポート/ロジカルシンキングのお作法

本格的なビジネス理論やメソッドを、女性が理解しやすいスタイルでお伝えする本講座。講師を務めるのは、「はたらく女性のかていきょうし」、タブタカヒロさんです。理論やメソッドを“自分ごと”に置き換えるワークが盛りだくさんの講座は、今の仕事に悩んでいる人にも、ビジネススキルを磨きたい人にも、これから起業を考えている人にも、きっと満足のいくものとなるはずです。

“4つの型”でロジカルシンキングの
お作法を身につける
前回までの「じぶんせんりゃくのお作法」の講義では、自分の“つよみ”を見いだし、自分の理想を現実に近づけるためのお作法(アプローチ法)を学びました。今回は、ビジネスには欠かせない“ロジカルシンキング”について、具体的に学んでいきます。
講師のタブさんが最初に投げかけたのは、「なぜ、ロジカルシンキングが必要なのか?」という問い。答えはいくつも考えられますが、「人を説得するため」と集約できます。人を説得する際、強制するのではなく納得してもらうために必要な要素の一つが、ロジックなのです。
ロジカルシンキングの理論や方法には、難しい用語が使われがちですが、それを「4つの型」にまとめ直し、女性向けにわかりやすく茶道になぞらえます。
〈ロジカルシンキングの4つの型〉
  • ①だんどり=点茶のお作法(順序)
  • ②2×2軸=流派を決める軸(保守的・革新的など)
  • ③数式=味を決めるお湯やお抹茶の量、温度
  • ④関係図=もてなす・もてなされる関係
“だんどり”を整理して
解決策を見いだす
まずは、“だんどり”から。何事も、効率良く進めるためには、最初に“だんどり”を考えることが重要です。
例えば、料理。ホットケーキをつくる“だんどり”は、「材料をそろえる→材料を混ぜ合わせて生地をつくる→生地を焼き上げる→盛りつける」となります。
例えば、衣料品の製造。メーカーがTシャツを作る段取りは、一般的には「生地を作る(糸を編む、織る)→生地を染める→生地を切る→縫製する→出荷する」となります。しかし、この生地を先に染める製法では、カラーの流行に柔軟に対応できず、洋服の多色展開が難しいという問題があります。そこで、ある大手衣料品メーカーがとったのが、「だんどりをひっくり返す」という戦略。生地の段階で色を染めずに縫製後に染めることで、多色展開を可能にしたのです。
この例から見えてくるのが、“だんどり”を整理することの大切さ。なんかうまくいかないな、というときは、“だんどり”を見直してみると、解決策が見いだせることも少なくありません。
ここで、一つめのワーク「だんどりの演習」として、グループに分かれて、それぞれ「洗濯」と「イベント」の効率の良いだんどりを、4つのステップで考えていきました。だんどりの数が多すぎると細分化されてしまうので、4ステップ程度が最適とのことでした。
“2×2軸”の柔軟な発想で、
新しいアイデアを生みだす
続いて、2つ目の型、“2×2軸”について学びます。これは、縦軸と横軸を設け、それぞれに2つずつ基準を設けてマトリックス的に考えていくお作法。基準となるキーワードには、反対語を選ぶのがポイントです(例:上質と便利、外向と内向、変化と伝統など)。
実際にやってみるのが一番ということで、「2軸の演習」のワークに取り組みます。今回は、「スマホ、ケータイ…これから売れる新しいモバイルとは?」というテーマで、2×2軸を使って整理していきます。
2×2軸で考えることの目的は、すべての可能性を漏れなく網羅することではありません。これは、新しい観点やアイデア、可能性を発見するための作法なのです。頭を柔らかくして、思考の練習をするのにも役立ちます。
数字で測れる要素に
物事を“数式化”する
3つめの型は、“数式”。数式とは、いわゆる算数や数学のことではなく、「具体的に数字で測れるもので物事を分析しよう」という考え方です。例えば、「売り上げ=□×□」という数式を考えてみましょう。「単価×数量」「営業人数×一人当たりの売り上げ」など、いろいろなパターンが考えられます。いずれも、数字で測れるものです。数式にすることで、それを構成する“中身”が見えてくるのです。
そして、それぞれの要素をさらに数式に分解していきます。例えば、「単価=原価+利益」というようにして、ロジックツリーを描いていきます。これはまさに、売り上げを伸ばしたい企業にコンサルティングをする際に用いる手法です。目的を達成するためにどの要因に注目すべきかなどが明確になるので、相手のニーズに合わせてアプローチ法を決めるときに役立ちます。
登場人物を書き出し、
“関係図”に整理する
4つめの型は、“関係図”。ある物事に多くの人や企業が関われば関わるだけ、状況や関係は複雑になっていきます。何と何がどうなっていて、どこを動かせば状況が改善されるか。登場人物を実際に書き出して、組織図や多角関係図に整理することで、打開策を見いだすお作法です。
応用編として提示されたのが、「三角関係のビジネスモデル」。「AとBそれぞれのニーズをCである自分がつなげる」というモデルです。自由度が高いためビジネススキルとしては難易度が高いのですが、普段から少し、意識をしてみるとイメージしやすくなります。
問題解決のフレームワークで
事象を整理する
4つの型を踏まえたうえで、今回のロジカルシンキングのまとめとして学んだのが、「問題解決の手順」です。まず大切なのが、テーマを決めて、事象を整理し、課題を見抜くこと。とくに難しいのが、「事象を整理する」というステップです。
ここで重要なのが、言葉の定義です。「目的」と「目標」、「問題」と「課題」と「問題点」…。それぞれの言葉が表す意味と関係性をフレームワークに整理しておくと、スッキリと理解できるようになります。
本日最後のワークは、「問題解決の演習」です。「女性の活用」というテーマについて、各自がフレームワークに合わせて考えていきます。
ビジネスにおいてロジックは重要。
でも、大事なのはそれだけ?
ロジカルシンキングについて学ぶうえで最も大切なポイントは“ビジネスにおいてロジックは重要。でも、ロジックだけである必要ない”ということ。人柄、共感してもらうこと、関係性など、ロジックに自分なりの“+α”の要素を加えることが大事なのです。それをしっかりと覚えておいてほしいと、講師のタブさんは締めくくりました。

文・撮影/笹原風花