2014.10.20

WorMo’的ワークスタイル

「女性管理職」という働き方

ワークスタイル情報/企業は管理職を求めている

もっと自分らしく、自信を持って働きたいワーキングマザーに向けて、様々な働き方を紹介するワークスタイル情報編。
今回は、管理職を志す女性をターゲットにした転職情報サイト『ビズリーチ・ウーマン』を運営するお二人にお話をうかがいました。

株式会社ビズリーチ 事業戦略部 ダイバーシティ採用支援室
加瀬澤良年室長、甫守(ほもり)美沙さん

インタビューアー/WorMo’編集長
河内律子(3歳男児のワーキングマザー)

企業は女性管理職を
真剣に求めている
――加瀬澤さんと甫守さんが運営されている、管理職を志す女性のための転職情報サイト『ビズリーチ・ウーマン』について、まずはサービス開始の経緯から教えてください。
加瀬澤:弊社(株式会社ビズリーチ)では、管理職・グローバル人材の会員制転職サイト『ビズリーチ』を運営しており、2012年には大阪のテーマパークを運営する企業が女性経営幹部の公開募集を行う際にお手伝いをさせていただきました。この案件をきっかけに、たくさんの企業から『女性の経営幹部を採用したい』というご依頼やお問い合わせをいただくようになりなりました。特に2013年の安倍政権による女性活躍推進発表後は急増しました。
――女性管理職を求める声がどんどん高まっているんですね。なぜ今、企業が女性管理職を必要としているのでしょうか?
甫守:お客様がよくおっしゃるのは、『今は動きの速い時代なので、多様な価値観で商品やサービスを開発し、マネジメントを行っていかないと勝てない』ということです。社内の女性を管理職に育て上げる動きもみられますが、これまでは育成のための制度が整っていなかったこともあり、『社外から優秀な人材を迎え入れて、女性が活躍する風土を一気につくろう』と考える企業が主流です。そこで、私たちの間でも『女性版のビズリーチを立ち上げるべきだ』という声がまとまり、20代後半から30代女性をメインターゲットとして、2014年の5月末にサービスを開始しました。加瀬澤と私は、企画や立ち上げの段階から携わっています。
(左から)加瀬澤良年さん、甫守美沙さん
――では、提供する情報やサービスはビズリーチに準じる内容なのでしょうか?
加瀬澤:求人自体はビズリーチで扱っているものと同じですし、会員登録をしておくと企業から直接スカウトメールが届いたり、条件を絞り込んで求人情報を検索したりできるサービスも共通しています。ただし、掲載記事はかなり違うタイプのものです。
甫守:実はサービス開始に向けてコンテンツを検討するなかで、女性として『自分が管理職として転職を考える時にどんな情報が欲しいかな?』と考えてみたんです。すると、『仕事内容はもちろん、福利厚生や育児休業の情報もほしい』『その会社には自分のロールモデルになりそうな女性がいるか知りたい』といったニーズが浮かび上がってきて、転職事例の記事を通じて給与や裁量、ポジション、やりがいなどの情報を中心に提供するビズリーチとは違うコンテンツが必要だと気づいたんです。実際にビズリーチの女性会員にアンケートを実施して、同様の声があがりました。
――具体的には、どのようなコンテンツを揃えているのですか?
加瀬澤:『女性の活躍応援特集(企業紹介)』や『ロールモデル特集(さまざまな会社で管理職として活躍する女性のインタビュー記事)』、『経営者インタビュー』などを掲載しています。特に人気があるのは、ロールモデルとなる30代女性のインタビュー記事ですね。少し先輩である女性のライフスタイルや仕事観、キャリアの変遷などに興味をもつ女性が多いようです。多様な女性の記事を掲載しているので、ご自分なりのロールモデルを見つけてもらえるのではないかと思います。
――確かに、気になる企業にめざすべき女性像があれば、管理職を前向きに考えるきっかけになりそうですね。
甫守:ビズリーチ・ウーマンではイベントも開催していて、管理職志向のある女性同士が出会う機会を設けています。自分と違う世界観を知って、キャリアをますます充実させてもらえればうれしいです。
管理職マインドがあれば
時間の制約は必ず解決できる
――ただ、キャリアやスキルが十分でも『管理職に就く自信がない。現状維持で波風立てずに働きたい』という女性も多いと聞きますが?
加瀬澤:そうですね。ビズリーチ・ウーマンのサービス提供に向けて20代後半から30代の女性とたくさんお会いしたのですが、出産や子育てなどのライフイベントをきっかけに、キャリアのウェイトをぐっと減らそうとする人が目立ちました。彼女たちの母親世代は出産後に専業主婦になる女性が多かったので、無意識のうちに『自分もそうした方がいいのかも』とブレーキをかけてしまっているのかもしれません。多くの企業で、『女性管理職を増やしたい』『戦力として女性に活躍してもらいたい』というニーズが高まっているなかで、自分からキャリアを限定するのはもったいないな、とは思います。
――では逆に、管理職として成長していけるのはどんな女性でしょうか?
加瀬澤:“会社の経営にコミットするというマインド”、つまり覚悟がある方は、管理職として活躍できる素質があると思います。どういうことかと言うと、仕事とライフイベントを同等に見ているということですね。
甫守:ワーキングマザーの方でも、キャリアも子育ても楽しんでいる人はたくさんいます。『仕事も大事なこどものような存在』と考えていらっしゃるのが、お話をしていると伝わってきます。私も11月に出産を控えているので、復職後はどちらも大切にしながら働けたらいいな、と思いましたね。
――お二人にお伺いしたいのですが、仕事をするうえで、女性であることの強みはどこにあると思いますか?
加瀬澤:男性は自分のキャリアアップに興味が集中している方が割りと多い気がするんです。
――(男性カメラマン)よくわかります(笑)。
加瀬澤:一方、女性は誠心誠意相手のことを考えて行動するので、お客様や社内のメンバーと堅い信頼関係を築けるところが強みではないでしょうか。また、お子様がいる人だと、時間が限られている分、とても効率よく仕事を進めますよね。
甫守:男性は物事に一直線に向かうところが強みだと思いますが、女性は多角的な視点で、場の雰囲気もみながら柔軟に対応できることが強みだと思います。
――そういった女性の強みを生かして働き続けることが、キャリアの充実につながるのかもしれませんね。では最後に、ワーキングマザーに向けてメッセージをお願いします。
加瀬澤:ITやインターネットの力によって労働時間や場所のハンディキャップは必ずなくなってきますし、お子様がいることで得られた新たな価値観が仕事に役立つことは多いと思います。自分に自信を持って、どんどんトライしていただきたいですね。
甫守:以前、アメリカから来日したIT企業の女性役員の方をインタビューしたとき『私もこどもたちと過ごす時間を大切にしながら、部下との信頼関係も構築できています。自分の生き方を型にはめずに、自分流でやりたいことをやっていけばいいのよ』という言葉をいただき、日本にもこんなふうに自然体で活躍する管理職の女性が増えるといいな、と心から思いました。みなさんのキャリアアップに役立つ情報を豊富に提供していくので、ビズリーチ・ウーマンを一つのきっかけにしていただければと思います。
ミーティングなども行われるオフィスのエントランスには、なんと3DCGを駆使した「海」が。リラックした状態で新しいアイデアを生み出したり、お客様とのコミュニケーションを深めたりするのに、この空間が一役買っているそうです。

ビズリーチ・ウーマン

ビズリーチ・ウーマンは管理職を志す女性のための転職情報サイト。求人情報はもちろん、女性活躍を推進する企業の女性管理職・ロールモデルへのインタビュー記事など、女性の働き方や生き方に役立つさまざまな情報を発信しています。

取材を終えて

これからの社会に求められているのは、『多様な価値観を許容できる人材であり、それは多くの女性が持ち合わせている適性』というお話に、私自身とても勇気をもらいました。また、これまで多くの女性に話を伺った経験からも、お話の中にあった『女性は相手のことを思いやる配慮がある一方で、キャリアアップには尻込みしてしまう傾向にある』ということも痛感しています。誰もが働きやすい社会を実現するためにも、さまざまな働き方の実例を増やすことが求められます。ご紹介いただいたサイトなどを参考に、スキルアップやキャリアアップなどご自分の可能性を拡げていっていただきたいと思いました。(河内)

文/横堀夏代 撮影/野村一磨