2014.7.11

WorMo’的ワークスタイル

仕事も子育ても「持ちつ持たれつ」

Vol.13 抱え込まずに周りと協力しあう

オリックス株式会社
人事部人事チーム
ダイバーシティ推進担当
脇真由美さん
研修全般や新卒採用、ダイバーシティ推進の企画・立案、運営、管理などに携わる。育児休業中のワーキングマザー向け復職支援研修なども担当。小学6年生と小学3年生の女児のワーキングマザー。

インタビューアー/WorMo’編集長
河内律子(3歳男児のワーキングマザー)

チームメンバーにも自分にも
完璧を求めすぎない
――脇さんがお勤めのオリックス株式会社は、早くから女性の活用に力を入れてきたことで知られていますね。
弊社では、男女雇用機会均等法が施行される以前の1982年から女性総合職を採用してきました。私自身も、女性が活躍できる環境に魅力を感じて、総合職として入社しました。現在は社員の約4割が女性で、女性社員の約3割はワーキングマザーです。
――そんなに多いんですか! 私のセクションにはワーキングマザーが他にいないので、うらやましいです。
あ、私もです。最初に復職してから10年ですが、ワーキングマザーと同じチームで働く機会は一度もありませんでした。
――セクション内に同じ立場の人がいないと、不安ではないですか?
相談相手がいると心強いのも事実ですね。オリックスでは、社内の違う部署にワーキングマザーがいるので積極的にコミュニケーションをとっています。ランチもよく一緒にいきますよ。こどもという共通の話題があれば声をかけやすいし、仲良くなれますよね。
――確かにそうですね。寂しがっていても仲間が増えるわけではないですからね。ところで、ワーキングマザー歴の長い脇さんですが、お仕事のやり方で出産前と変わった点は?
できないことは素直にできないとヘルプを求めるようになったことです。無理に格好つけて頑張らないようになりました。例えば海外の現地法人とメールでやりとりをするなら、細かい言い回しなどで悩んで時間をロスするよりも英語が得意な同僚にチェックしてもらうとか。企画書なども完璧に作り込もうとせず、6割ほどまとまったら上司に見せて、意見をもらうようにしています。これは4人いるチームメンバーに仕事を頼むときも同じす。ミーティングで方向性を決めてから書類をまとめてもらう時には、「ある程度できたら見せて」と声をかけています。途中段階のものを見ながら話し合って、さらにいい案が出てくれば反映してもらいます。
――チームメンバーの方も、一からやり直すよりずっと気が楽ですよね。マネジメントという点からお聞きしたいんですが、残業ができないとなると、メンバーより先に帰ることになりますよね。
そうですね。チームで一番先に帰るのは私なので、メンバーが何時まで働いているかわかりません。でも私の上司が、メンバーについて「○○さんは最近よく残業しているよ」と教えてくれるので助かっています。遅くまで働いているなら、何か仕事で大変なことがあるのかなどメンバーに理由を聞いています。
――限られた時間でチームメンバーの仕事を把握しなければならないぶん、コミュニケーションがカギになってきますね。
おおむねメンバーを信頼して任せていますが、「いつでも声をかけて」とは話しています。会社にいられる時間が短い分、部下からの相談に乗る時間を優先したいので。ただ、声をかけられて「5分だけ待って」と言ってあったのに、うっかり忘れて自分の仕事を続けてしまったりすることもよくあります(笑)
仕事で磨いた「営業力」が
ママ友とのつきあいでも活躍
――ちなみに、通勤電車の中ではどう過ごされていますか? ワーキングマザーにとってはひとりになれる貴重な時間ですが…。
電車の中では地元のママ友とメールやLINEでやりとりをしています。小学校や学童保育、保育園時代の仲間など、ママ友のコミュニティーがいろいろあるんです。こどもは小学生になると自分で交友関係を拡げていくので、親同士は面識がない…なんてことも少なくありません。ですから、新しく知り合ったママ友とは積極的にコミュニケーションしつつ、保育園時代の仲間も大事にしています。
――保育園のお迎えに行く時間がほぼ決まっているので、顔を合わせるお母さんが限られていて、なかなか地元にママ友ができない、という話はよく聞きますが・・・。
弊社の後輩ワーキングマザーでも、「親しいママ友ができない」と悩んでいる人が結構います。でも、待ってるだけじゃダメですよ(笑)。私は自分の経験から、「自分の家を開放して、料理を持ち寄ってパーティーなどをやるといいよ」と勧めているんですけどね。
――どうやってメンバーを集めるんですか? みんなを誘うのがまずハードルが高いと思いますが。
娘たちが仲良くしている子のママにメンバーを集めてもらったり。あとは、「週末に自宅で子連れ飲み会をやるのでどうですか?」というメモを保育園のシューズロッカーに入れたり。大人こども合わせて、20人近く我が家に集まったこともあります。
――すごい! 地元にコミュニティーができると、娘さんたちも安心ですね。
私は昼間、地元から離れているし、実家も遠いので、何かあった時に助けてくれる仲間がいると心強いですよ。私の方でも、クラスの役員を引き受けるなど、できることは積極的にやっています。
ネットワークを大切にし、地域のママ友と協力してこどもを育てる仕組は参考になります。
――ギブアンドテイクですね。
その通りです。私は「持ちつ持たれつ」が座右の銘なんです。というのも、現在携わっている仕事では、他部署に頼みごとをする機会がとても多いんですね。例えば新卒採用のために、営業セクションの社員に面接官をお願いしたり。その代わり、営業セクションから「弊社の女性活用推進についてお客様が興味を持たれているから、簡単なプレゼンテーションをしてほしい」といった要望があれば快諾します。そんなこともあって、ママ友とのつきあいでも「持ちつ持たれつ」がいつの間にかモットーになっていました。
――お仕事で身についた姿勢が子育てにも生きているんですね。他にはどんな「持ちつ持たれつ」を?
例えば、うちは長女を週3回塾に通っているんですが、塾で食べるお弁当を料理上手なママ友にお願いしています。この方のお子さんも同じ塾に通っているので、一緒につくって届けてもらっています。もちろんお弁当代は支払っていますよ。逆に、その方に用事があるときは、お子さんを預かったりしています。互いに得意なことを引き受けながら、協力し合っています。
――面白い! 脇さんはコミュニティーを広げていくのが本当に上手で、ある意味「営業力」を感じます。
会社では言えませんが、今が一番「営業力」を活かせている気がします(笑)
「遠慮せず周りに頼む」「自分も積極的に引き受ける」を実践していれば、うまく回っていくことは多い気がします。こどもが小学校に上がると学校のこと、習い事などやることがたくさんあり、とても大変ですよ。みんなに協力してもらえると助かります。
――ママ友とのコミュニケーションを大事にすると、今だけじゃなく後々まで役立つんですね。毎日忙しくていっぱいいっぱいだったけれど、脇さんとお話したら少し先の生活が見えて、なんだか気持ちが楽になりました。

脇さんの ある1日


6:00 起床
7:00 家族で朝食
7:40 出勤(お子さんたちは8:00に登校)
8:40 出社
9:00 始業
9:30 マネージャー会議
10:30 広報ミーティング
11:30

13:00
ワーキングマザー復職者懇親会
(復職後1年のワーキングマザーを集めてのランチ会)
13:00 稟議書作成
15:00 来客
16:00 社内ミーティング
17:00 稟議書作成
18:30 退社
19:30 学童保育のお迎え、帰宅
20:00 夕食、こどもの宿題をみる
塾のお迎えなど
(洗濯などの家事をご主人が担当)
22:00 就寝

取材を終えて

マネジメントする立場の方のお話をお伺いでき、私自身もとても参考になりました。ご自身のワークスタイルだけでなく、それに合わせてメンバーとのやり方も改善されているので、結果チーム力アップにつながると思いました。
私は、というと今、時間に追われて、なりふり構わず仕事をしていますが、メンバーが声をかけやすいように「話しかけていいよ」オーラを出すようにしないといけないとひそかに反省(苦笑)。(河内)

文/横堀夏代 撮影/野村一磨