2013.8.27

WorMo’的ワークスタイル

ワーキングマザーが日本の経済活性化のキー

Vol.1 効果的な働き方でキャリアを積む

経済産業省 経済産業政策局 経済社会政策室
(左)島田真知子さん、(中)坂本里和室長、(右)関 万里さん。
「女性の力を生かした経済活性化」や「なでしこ銘柄」など、新しい企業価値の創出や女性の活躍の重要性についての周知に尽力されている。

インタビューアー/WorMo’編集長
河内律子(2歳児のワーキングマザー)

ワーキングマザーの働き方にはもっと選択肢が必要
――最近、女性の活躍支援がよく話題になっていますが、私たちワーキングマザーの生き方や働き方にも大いに関係する内容ですよね。
坂本:安倍総理は、日本の成長戦略の中核として、女性の活躍を打ち出しています。もっと簡単にいうと、女性に活躍してもらわないと日本経済の行き詰まりは打開できない、ということなんですよね。ワーキングマザーを支援する具体策としては、「保育園の待機児童解消加速化プラン」「3年間の育休推進」「子育て後の再就職・起業支援」が挙がっています。
――とはいえ、現状の日本で実現するにはまだまだ課題がありそうですが・・・。
坂本:その通りです。そこで私たちは、「女性の活躍が日本経済の活性化につながる」と様々な形で認知していただくための取り組みを続け、女性が生き生きと働ける社会づくりに貢献していきたいと思います。私自身も11年前にワーキングマザーになって、今は4人の娘がいるのですが・・・。
「なでしこ銘柄」など女性活躍を推進している企業の業績は高い傾向にある。
『ワーキングマザーの今後の課題はキャリアの育成』という坂本さん
――11年前と今とでは、働く女性の環境も変わったのでは?
坂本:そうですね。当時はWEBメールも導入されていなかったので、オフィスにいないと仕事が進めにくかったことが大変でした。今は、こどもを寝かせた後にメールを確認したり、残った仕事を片付けたりすることができるので、私自身の仕事スタイルは確実に変わりました。フレックスタイムの促進とテレワーク(在宅勤務)の普及により、時間や場所の制約を超えた柔軟な働き方がさらに浸透すると、ワーキングマザーの働き方にも選択肢が増えると思います。

島田:私は今まさに、在宅勤務が週3日というスタイルで働いています。自宅には職場と同じPC環境が整っています。それでも同じセクションのメンバーと相談しながらまとめたいこともあるので、「あの仕事は自宅でやるから、資料を持ち帰らなくちゃ」「この仕事は職場で」など、新幹線に乗っている時間はいつも段取りを考えています。
――新幹線…ですか?
島田:そうなんです。週2日の通勤には新幹線を使っています。在来線だと2時間以上かかってしまうので。新幹線代は自己負担ですが、子供が小さいうちは、多少負担があったとしても、何よりも時間の確保が大事だと思っています。

関:私も、帰りにどうしても疲れていたらタクシーを使うことも。『もったいない』と思うよりも、『こどもたちと一緒にいられる時間が長くなるからうれしい』と考えています。
スキマ時間があれば、とにかく仕事のスケジューリングを考えるという島田さん。
時間がないから「スピード」をより重視するようになった。という関さん。
情報共有やコミュニケーションがスムーズな働き方のカギに
――私は育休復帰後、短時間勤務制度を利用して働いていますが、とにかく時間がない!というのが実感です。皆さんもきっとそうだと思いますが、出産前と今で、働き方はどんなふうに変わりましたか?
関:以前は書類をまとめる時も、「完璧に仕上げなければ」と思い込んでいて、そのせいで帰宅が遅くなることもありました。でも今は、時間も限られているし、仕上げた後に大きな修正が入ると、貴重な時間がムダになってしまいます。だから、「この方向性でまとめたいと思っています」などと“都度”進捗を上司に確認するようになりました。「完璧を求める仕事」から卒業して、スピードを重視するようになりました。

島田:出勤は週に2日、しかも午後4時までの勤務なので、とにかく効率性を意識して仕事をスケジューリングするようになりました。
特に通勤時間は仕事の優先順位を確認するのにいい時間ですね。行きの電車の中では、「あれの次はあれをして・・・」と自分の仕事を細かくシミュレーションしています。

関:情報の共有やコミュニケーションも重要ですね。作成した書類はプロジェクトごとの共有フォルダに入れておくとか。

島田:私たちのセクションでは、メールもほぼすべてccで情報共有しています。自分が担当する仕事でなくても、全員が知っておくことでいざという時にはピンチヒッターを頼めて、とても助かっていますね。
今、電車を見るたび「バイバーイ」と一生懸命手を振るという、電車が大好きな1歳の息子さんと。
「お家ごっこ」に夢中な5歳と2歳の娘さんと。『お仕事行ってきます』とカバンを持ち、家の中を歩いています。
――出産・育児経験は仕事に役立っていますか?
関:女性の活躍や子育て支援に関する仕事に携わっているので、とても役立っています。働くママ友と話していると、今まで見えなかった現実もいろいろわかってきて、「もっと女性の躍進に貢献したい!」とモチベーションが上がります。

島田:精神的に成長させてもらった気はしていますね。前はせっかちに、アグレッシブに働いていましたが、「こどもは理屈が通らないからカリカリしてもしかたがない」と思うように。その姿勢が仕事にも活きているかな、という気はしています。

坂本:それはきっと、ワーキングマザーの共通認識ですね(笑)。

取材を終えて

正直、役所の方が在宅勤務をされているとは驚きました。しかし、恵まれた環境に甘んじることなく、細かく自分の仕事を細分化する、“都度”上司と確認する、というワークスタイルは働く時間が限られているワーキングマザーにとってとても有効な技ですね。早速、私も実践!

文/横堀夏代 撮影/野村一磨